カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)は、セルラーIoTモジュールの出荷が2024年第1四半期に前年同期比で7%成長したとの調査結果を含む、Global Cellular IoT Module and Chipset Tracker by Applicationを発表いたしました。この成長は主に中国とインドの需要に支えられたもので、他の地域では依然として在庫高や需要が足かせになっています。

 

市場動向について、アソシエイトディレクターのMohit Agrawal氏は次のようにコメントしています。

「中国とインドでは出荷が伸びた。スマートメーター、POS、アセット追跡、ルーター/CPE(顧客構内機器、企業や家庭などユーザー側に設置する通信装置全般をさす)が好調だったからだ。両国以外では、前年同期比2%の下落になっていて、これは、需要が低迷していることと、顧客側で在庫が積みあがっていることが原因だ。通信方式では、4G Cat 1 bisが勢いを維持していて、市場の1/3を占めている。Cat 1 bisとNB-IoTの価格差が小さくなったことを受けて、中国ではNB-IoTやCat 1に代わってCat 1 bisがシェアを拡大している。」

 

さらに、Agrawal氏は次のように付け加えています。

「スマートユーティリティ、ルーター/CPE、自動車、アセット追跡といった用途では、セルラーIoTの需要はこの四半期、堅調だった。だが、小売り、ヘルスケア、産業用のセルラーモジュール需要はさえないままだ。

出典:Global Cellular IoT Module and Chipset Tracker by Application: Q1 2024

  • Quectel、Fibcom、China Mobileはモジュール業界のリーダーで、合わせて世界市場の半分を2024年第1四半期に占めています。中国国外では、Telit Cinterionが第2位に躍進しましたが、首位Quectelとの差はなおも大きく開いています。
  • Fibcomは2024年第1四半期に目をみはる成長をみせ、四半期出荷としては過去最高に達しました。ルーター/CPEとテレマティクス分野でのプレゼンスによって、Fibcomは中国を除く世界市場でトップ3にランクインしました。
  • China Mobileはスマートメーター、アセット追跡、POS分野で好調で、前年同期比二桁パーセントの成長となりました。
  • Neoway、Lierda、Unionmanなどの中国メーカーは、スマートメーター、アセット追跡、POSなど主要な用途の一角で急成長をみせています。

 

市場の見通しについて、リサーチアナリストのHanumant Pawar氏は次のようにコメントしています。

「世界のセルラーIoTモジュール市場は、需要が改善して在庫が適正レベルに戻るにつれ、今年下半期に部分的な回復を見せるだろう。値ごろな5G RedCap対応製品が広く採用されるだろう2025年には、IoTモジュール市場は完全にリバウンドする見通しだ。特に中国での5G RedCap採用が大きく影響する。中国政府の補助金がIoTモジュールへの5G採用を後押しするだろう。IoTモジュールの出荷は2023年から2030年にかけて、CAGR9%で成長する見通しだ。」

 

詳細については、下記のレポートをご覧ください。

 

カウンターポイントのGlobal Cellular IoT Module and Chipset Tracker by Application, Q1 2024は、1,500を超える型番のIoTモジュールについて、四半期ごとにデータをまとめたものです。このレポートでは、10の主要地域をまたいで調査を実施しており、その結果を、80を超えるIoTモジュールメーカーと12のチップセットメーカー、さらに18のIoTアプリケーションの、それぞれについて、出荷数量、売上、ASP(平均売価)の予測としてまとめています。

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/