世界の二輪車市場は、2024年上半期に前年同期比4%成長したとする調査結果を含むGlobal Two-wheeler Sales Trackerを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表いたしました。インド、欧州、北米、中南米、中東・アフリカで市場は成長したものの、中国と東南アジアでは市場は縮小しました。
各地域の動向について、シニアアナリストのSoumen Mandal氏は次のようにコメントしています。
「インドの二輪車市場は2024年上半期に22%というめざましい伸びを示した。郊外での需要が高まっていることに加え、モンスーン(6月~9月の雨季)が熱波を和らげたことと、政府の地方振興策とが後押しした。この好調のおかげで、インドは中国を抜き、世界最大の二輪車市場になった。」
中国では、125cc未満の二輪車が依然として主流です。その中国における、普段の通勤の足としては、バイクやスクーターから、電動自転車に主役が移りつつあります。このため中国における二輪車市場は、特に電動バイクのセグメントにおいて、一時的な足踏み状態になっています。
東南アジアでは、主要市場であるインドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、マレーシアで二輪車の販売が落ち込みました。これは、地政学的な緊張が貿易に影響を及ぼしていること、融資の条件が厳しくなったこと、それに経済の先行きが不透明で消費者が支出に慎重になっていること、が要因です。
出典: Global Two-wheeler Sales Tracker
世界のトップ10社の二輪車メーカーが2024年上半期の売上の75%以上を占めています。ホンダが世界の二輪車市場での首位を守り、Hero MotoCorp、ヤマハ、TVS Motor、Yadeaが続きます。このトップ10社の中でTVS Motorが最も急速に(前年同期比25%増)成長しています。一方でYadeaは落ち込みが一番大きく(前年同期比29%減)、ランキングは5位に後退しました。
市場の今後の見通しについて、調査担当バイスプレジデントのNeil Shah氏は、次のように述べています。
「電動化は立ち上がっていて、2030年には、販売される二輪車の10台に4台は電動になるだろう。このトレンドによって、二輪車への純正のセルラー接続の採用も加速しそうだ。自動車業界がC-V2X(セルラーによる車と他車や道路インフラとの通信技術)に向かうなかで、二輪車セグメントにも同様な動きが出てくるだろう。電動車の時代になれば、ADASやコネクティビティの実装を通じて、エコシステム上のプレイヤーたち、つまり半導体、電子部品、通信事業、サービス事業の各社にとって、莫大な事業機会が生まれる。」
*売上とは、この調査では、工場卸値、つまり二輪車メーカー各社の工場からの出荷額を指します。
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【カウンターポイント社概要】
カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/