2023.12.21| PR||

  • 生成AI搭載機種の登場で、スマホ業界に革命的な変化が起きる見通し。
  • GenAIスマホの2023年のシェアは4%になる見込みで、来年にはその倍になりそうである。
  • 2027年までに、GenAI搭載スマホのシェアは40%を超え、出荷は5億台を上回ると、我々は予測している。
  • Samsungが来年の市場の半分を獲得し、残りを中国の主要メーカーであるXiaomivivoHONOROPPOなどが占めると見られる。
  • QualcommSamsungが現時点でのリーダーである。発売中の機種や組織の能力が、先行者としての事業を可能にしている。
  • QualcommGenAIスマホ市場の80%を、今後2年間にわたり、獲得する見通しである。MediaTekDimensity 9300ベースの機種で、これを追うだろう。

 

Counterpoint Researchが提供するSmartphone 360 Serviceが近日公開するレポート”GenAI Smartphone Shipments and Insights”によれば、生成AI(GenAI)搭載スマホにとって来年は大きな転換点で、出荷は2024年中に1億台を超すと予測されている。また、2027年には、GenAI搭載スマホの出荷はCAGR 83%で伸びて5.22億台に達するとみられる。

 

Counterpoint ResearchはGenAI搭載スマホを、AI搭載スマホのサブカテゴリとして定義している。あらかじめプログラムされた応答や、事前に定義されたとおりタスクをこなすのではなく、生成AIを用いてオリジナルのコンテンツを作れるようなスマホをGenAI搭載スマホとしている。この種のスマホは、スマホ用に規模を最適化したAIモデルを実行し、そのための専用のハードウェアも持つ。短期的には各メーカーは以下の4つのエリアを応用先として製品を企画している。そのエリアとは、情報提供、画像生成、リアルタイム翻訳、パーソナルアシスタント、である。

 

SamsungとQualcommは現時点でこのカテゴリのリーダーである。発売中の機種や組織の能力が、先行者としての事業展開を可能としている。

 

かつて折り畳み型スマホでそうだったように、Samsungは今後2年間、50%を超すシェアを握りそうである。これに続くのがXiaomi、vivo、HONOR、OPPOなどの中国勢である。Samsungは以前スマホに載せたGalaxy AIのユースケースを公表した。これは形態メーカーが今後のスマホをいかに差別化するかの一例であり、この差別化競争のなかでGenAIは鍵になるのである。

 

Qualcommは今後2年間GenAI搭載スマホ市場で80%を超えるシェアを獲得しそうである。MediaTekがDimensity 9300ベースの端末でこれを追うだろう。

 

リサーチディレクターのTarun Pathakは以下のように語った。

「GenAI搭載スマホの、スマホ全体に対するシェアは、来年は一桁だろう。だが、この控えめな数字は、業界の興奮や誇大広告気味のマーケティングの状況を反映しているとは言えない。」

 

Pathak氏はさらに以下のように続けた。

「現在、我々のクライアントやパートナー企業など、主要プレイヤーからの意見を盛り込みながら、GenAI搭載スマホの定義を策定中である。来年はGenAIスマホ市場について学ぶ年だ。広い価格帯でこのタイプのスマホが提供されるであろう2026年が、本格的な成長に入る変曲点となるはずだ。」

 

世界のGenAIスマホシェア 今年と将来予測 20232027

出典:Counterpoint Research Smartphone 360 Service, GenAI Smartphone Shipments and Insights Report

 

バイスプレジデントでリサーチディレクターのPeter Richardsonは以下のように述べた。

「ここ数年、AIはスマホの機能のひとつとして採用されてきた。今後我々が目にするのは、従来のAIに加え、GenAI用のAIモデルの実行に最適化されたスマホの登場である。ありそうなユースケースとしては、これまで以上に個々人に合わせたコンテンツの生成、それぞれが独自な性格や会話スタイルを持ちさらに賢くなったデジタルアシスタント、映像・音楽などのコンテンツのレコメンド、などである。とはいえ、スマホのメモリ量の制約に対処する必要があるだろうし、クラウドとのハイブリッドなアプローチが必要になるなど、解決すべき課題も出てくるだろう。それでも、一つだけ確かなのは、これまでのようにスマホに自分が合わせるのではなく、逆にGenAI搭載スマホが自分に合わせてくれる、新時代が来る、ということである。」

 

 

Team Counterpoint

Counterpoint Researchは若く急成長中の調査会社で、ハイテク業界の分析を得意としている。カバーする領域は、コネクテッド機器、消費者向けデジタル製品、ソフトウェアとアプリケーション、および関連分野のトピックスである。当社の調査チームがまとめて発行するレポートに加え、要望に合わせてカスタマイズしたレポートも提供している。また、セミナーやワークショップを企業向けに開催して好評を得ており、依頼があれば実施している。特に高精度の調査を必要とするプロジェクト向けには、コンサルティングやカスタマイズした調査活動も実施する。