• Samsung2%のシェアをもって、4四半期連続で首位をキープした。
  • Xiaomi6%のシェアで第2位。これを15.9%のシェアでvivoが追う。
  • Apple250万台超を出荷し、四半期として過去最高の台数となった。
  • OnePlusは、高級機の中の値ごろ価格帯セグメントで29%のシェアを獲得し首位となった。
  • トップ5社の中ではvivoが最速で成長しており、前年同期比11%の伸びを記録した。
  • 市場全体ではTranssionが最速で成長しており、前年同期比41%の伸びであった。

Counterpointが提供するMonthly India Smartphone Trackerの最新調査によれば、2023年第3四半期(7月~9月)におけるインドのスマホ出荷は横ばいだったものの、Appleは四半期として過去最高の出荷を記録した。インドのスマホ市場は、ほぼ1年にわたって縮小し続けてきたが、何より大事な歳末の祝祭シーズンに向かって消費者の需要が少しずつ上向いたのをうけて、市場の方も復活の兆しをみせている。

 

市場動向について、シニアリサーチアナリストのShilpi Jainは以下のように述べた。

「2023年第3四半期のメーカー各社は、新機種を発売し、祝祭シーズンに備えて流通チャンネルに商品を流し続けた。また、目玉である5G対応や、大容量RAM(8GB)が、値ごろ価格帯(10,000インドルピー、約18,000円未満)のスマホにもみられるようになったことは、注目すべき流れである。高級機と5Gとが、二つの重点領域で多くの製品が発売されている。メーカーの多くは、金融機関と組んで新しい支払いプランを設定し、新機種購入が一日当たりいくらの出費で済むか宣伝している。市場はゆっくりと成長へと転じており、祝祭シーズンを前に消費者心理が上向いていくのが見て取れる。積みあがった需要、長期間になった祝祭シーズン、5G機種へのアップグレードの加速、と好材料がならび、インドのスマホ市場は次の四半期には成長しそうである。」

 

出典:Counterpoint Monthly India Smartphone Tracker

 

競合状況と各社の詳細ついて、リサーチアナリストのShubham Singhは以下のように述べた。

「Samsungは4四半期連続で首位を守り、シェアは17.2%であった。AシリーズとMシリーズがともに好調だった。オフライン(路面店)での高いインセンティブによる積極販売、チャネルによらず同等な価格での販売、急成長する高級機種への集中、超高級機種でのイノベーション、といったことでSamsungは競合より一歩前を行くことができた。Samsungに肉薄するのがXiaomiで、そのシェアは16.6%である。Redmi 12シリーズの好調と、オフラインチャンネルの拡大が効いた。Xiaomiは5Gを値ごろ機種に展開し、効果的に利益につなげている。最新のRedmi 12 5Gシリーズに対する消費者の反応は圧倒的である。」

 

「vivoは第3位であるが、トップ5社の中では最速で成長しており、前年同期比では11%も伸びている。オフラインでのプレゼンスが高く、CMF(色、素材、仕上げ)を重視し、IQOOブランドを通じて中~高級セグメントをターゲットにしたことで、この結果につながった。市場全体をみれば、Transsionが前年同期比41%と、最速で成長している。インドにおける急成長フェーズに入ったAppleは、前年同期比34%伸びた。2023年第3四半期は、Appleにとって同国での最高の出荷を記録した四半期でもあり、250万台強を出荷した。この世界で二番目に大きいスマホ市場においても、高級機指向は始まっており、新機種と魅力的な支払いプランによって、Appleはここでもうまく波に乗ったかたちである。また、OnePlusは高級機の中の値ごろ価格帯(30,000~40,000インドルピー、約5.4~7.2万円)におけるトップで、OnePlus 11Rの好調をうけてシェアは29%であった。」

 

その他の注目ポイント

  • 5Gへのアップグレードが加速: 2023年第3四半期には、5Gスマホのシェアが53%に達した。メーカー各社が10,000~15,000インドルピー(約8~2.7万円)のセグメントで新製品を相次いで発売したことが効いた。このセグメントでの5Gの普及率は35%と、2022年第3四半期の7%から大幅に増えた。
  • 超高級機指向のトレンド: 超高級機(45,000インドルピー、約1万円超)指向は、毎四半期強まっている。2023年第3四半期には、このセグメントは前年同期比44%も成長した。購入しやすい支払いプランの出現、さまざまなインセンティブプログラム、それに最新技術への消費者の強いあこがれが、この結果につながった。
  • 折り畳み型がメインストリームに: 超高級機セグメントにおいて折り畳み型の需要が高まっている。従来にない寸法・形状が、スマホへの従来の認識や使い勝手を一変させるからである。折り畳み型に参入するメーカーも増え、将来は明るい。
  • 4Gフィーチャーフォンが成長: フィーチャーフォン全体に占める4G版のシェアは、Jio社のJio Bharatの発売をうけて、2023年第3四半期に32%まで増加した。主に、低価格(999インドルピー、約1,800円)、UPI(訳注:携帯から利用できるインドにおける小口決済インフラ)などの機能、多種のアプリの存在、が需要を押し上げた。
  • その他のメーカー: これ以外で2023年第3四半期に前年同期比で成長したメーカーは、Nokia(31%)、Motorola(27%)、realme(7%)、Google(6%)であった。

 

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Market Monitor の調査は、各社のIR情報やインタビューに基づく出荷台数の推定、販売チャネル側からの裏付け、流通過程でのデータチェック、その他二次的調査、に基づいています。

弊社のData Section(四半期ごとに更新)におきましても、全世界米国中国インドについてまとめたスマホ市場のシェアを、ご覧いただけます。

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/