2024.10.16| PR|

世界のスマートフォン市場は2024年上半期に全体の出荷が前年同期比7%増加しました。その中で、外部委託して設計したスマートフォンの出荷も増加しており、IDH(Independent Design House; 製品設計のみをサービスとして提供する企業)やODM(Original Design Manufacturer; 発注元ブランドの製品の設計から製造までを一貫して受託する企業)によるスマートフォンの出荷は、2024年上半期に前年同期比6%増加したとする最新調査結果を、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表いたしました。中国のスマートフォンメーカーが国内で伸びていること、さらに一部の国外市場でも伸びていることが、IDH/ODMの伸びの主要因になっています。

出典: Global Smartphone ODM Tracker, 1H 2024

 

市場動向について、シニアリサーチアナリストのIvan Lam氏は、次のように述べています。

「ODM/IDHのトップ8社は、ティア1かティア2に属しており、合わせて外部委託によるスマートフォンの出荷の97%以上を占めている。Longcheerの勢いは止まらず、今年上半期に前年同期比50%の出荷増を達成した。Longcheerの大躍進は中国のスマホメーカー、特にXiaomi、Huawei、Motorola、それにSamsungの出荷が好調だからだ。なかでもXiaomiは同社にとっての重要市場である中国、インド、カリブ・中南米、それに中東・アフリカで業績を回復している。Huaqinは今年上半期にスマホの出荷こそ減少したものの、ウェアラブル、PC、サーバーの受注は天井知らずの状況だ。たぶん、下半期にはスマートフォンの受注も増加するだろう。Wingtechも出荷が減った。こちらは中国における同社の主要顧客であるスマホメーカーの出荷落ち込みに引きずられた。全体として、これらのODM3社で、ODMによる上半期の出荷全体の3/4を占めている。」

 

また、シニアリサーチアナリストのPrachir Singh氏は、次のように付け加えています。

「ティア2のODM/IDH企業の中では、Tinnoがランキングを維持し、出荷の伸びは8%だった。TranssionとLenovoの好調に支えられた。とはいえ、Mobiwireがティア2の中では最も成長著しく、前年同期比で50%伸びている。これはTranssionグループの出荷の伸びによるもので、Transsionグループへの出荷はMobiwireの出荷全体の2/3に達している。CHINO-Eも、HuaweiとHONORの伸びに支えられて、二桁成長を果たした。これ以外のODM/IDHで出荷を伸ばしたのはFortuneshipとSprocommだ。」

 

カウンターポイントでは世界のスマートフォンの出荷は、主に新興国市場が原動力となって、2024年に前年比5%伸びると予測しています。また、世界のスマートフォン市場におけるODM/IDHの比率については、2024年は41%前後の比率を維持するとみています。5Gスマートフォンの普及は、低価格帯機種への搭載を通じて今後も伸びるとみられ、この低価格帯ではODM/IDHが大きな役割を果たします。

 

以上の内容を含む、カウンターポイントのGlobal Smartphone ODM Report and Trackerは購読者の皆様に提供中です。

この調査や分析に関するお問い合わせは、お気軽にpress@counterpointresearch.comまでお寄せください。 

また、弊社のData Section(四半期ごとに更新)におきましても、全世界米国中国インドについてまとめたスマホ市場のシェアを、ご覧いただけます。

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/